「2022年度 製品開発グループ夏合宿」を開催しました

2022年8月末に1泊2日で開催された、AITC製品開発グループの夏合宿の模様をレポートします

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はじめに

皆様こんにちは!

AITC 製品開発グループの矢作です。

この度、製品開発グループ9名で、2022年8月末に1泊2日で合宿を開催しました。学会を除くと製品開発グループでの合宿は今回が初となります。

本記事では、合宿でどんな活動をしたのか紹介させていただきます。ぜひ、最後まで読んでいただければ幸いです。

合宿について

目的

今回の合宿のテーマは、「AI技術、開発、ビジネスについて考える二日間」です。 AI技術を軸に、今後の製品開発グループの大きな動きや戦略を練ることが目的となっています。

活動内容

合宿では、以下の3つの活動をしました。

今回の記事では、合宿のメインである『NLP技術調査報告会』と『Kaggleから学ぶ需要予測解法』について紹介させていただきます。

  1. NLP技術動向調査報告会(実施時間:10時間)
  2. Kaggleから学ぶ需要予測解法(実施時間:4時間)
  3. チームのパーパス・ミッション・ビジョンについて考える(実施時間:2時間)

ルール

合宿では、次のルールを設けました。

『合宿では「理解」と「発散」に焦点を当てること。「収束」はしない。』

2日という限られた時間の中での活動なので、「具体的に何の課題を解決するか?」という空中戦になりやすい議論は後回しにしようという決め事です。

時間に制限がある中で、こういったルールを決めることはとても大切です。 実際、このルールのおかげでタイトなスケジュールの中で大幅な延長もなく無事終わることができました。

会場

会場は、「大学セミナーハウス」を使わせていただきました。八王子駅からバスで20分ほどのところにある宿泊施設です。

こちらを選んだ理由としては、大きく2点あります。

1つ目の理由は、都心から離れた自然に囲まれた立地であること。合宿では、「日常から離れた環境で業務の割り込みを受けることなく集中したい!」という思いがあったので、自然の多い場所を選びました。

2つ目の理由は、特徴的な造形であること。大学セミナーハウスは、特徴な造形の建物になっていて、地面に大きな楔が打ち込まれたような形をしています。このデザインに惹かれたメンバーから強い希望があり、最終的にこちらの宿泊施設を選びました。

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また、こちらは私たちが2日間利用していた会議室です。 立地の都合上、ネット回線は少し不安定でしたが、部屋に用意されているWi-Fiを利用すれば全く問題なかったです。また、プロジェクターやホワイトボードなど必要な道具は完備されていました。

https://isid-ai.jp/assets/images/column/column34/AITC-summer-camp-2022.png こちらは合宿の様子です。学生時代を思い出す、どこか懐かしい雰囲気の会議室でした。

合宿の活動

ここからは、先に挙げた2つのワークについて紹介させていただきます。

1. NLP技術動向調査報告会

この企画のテーマは、『NLPの最先端技術をキャッチアップする』です。

現在、製品開発グループでは、文書活用AIソリューション『TexA Intelligence』を軸として、NLPに注力しています。その一環として、最新技術をキャッチアップするために、NLPに関する論文の技術調査を行っています。 今回の合宿は、この技術調査の成果報告の場となっております。

ワークの形式はこんな感じです。 事前準備として、各自が事前に決められたテーマの論文をスライドにまとめ、その内容を元に議論を交わしました。

15分:スライドを黙読し、以下2つの観点の付箋を貼る 1. [理解] 内容に関する質問、興味 2. [発散] 『研究開発』や『ビジネス』に繋がりそうな案

15分:担当者によるスライド解説

30分:付箋について議論する

10個のテーマがあったので、全部で10時間、ぶっ通しで議論を交わしました。 また、ワークではMiroというオンラインホワイトボードツールを活用しました。

こちらは合宿に参加した太田さんによる発表スライドを掲載しております。 isid-ai.jp

合宿の大部分を占めるこの企画ですが、個人的には非常に有意義な時間でした。クオリティの高い技術調査に加え、対面でまとまった時間をとって議論ができたのが非常に良かったです。

また、最初にスケジュールを見た時は長時間のワークに耐えられるか心配でしたが、終わってみるとあっという間でした。参加メンバーのそれぞれが集中力を維持するために工夫を凝らしていました。(お菓子を食べ、ストレッチしながら白熱した議論繰り広げる姿は中々見られないと思います。)

2. Kaggleから学ぶ需要予測解法

この企画のテーマは、『Kaggleから需要予測案件に活かせるデータ分析の考え方を学ぶ』です。

背景としては、AITCに需要予測案件が増えており、需要予測に携われる人材やノウハウの必要性が高まっていることがあります。 そこで、数多くの需要予測コンペティションが開催されているKaggleから案件に活かせる知見を得よう、というのがこの企画の目的です。

また、この企画の立案者は、製品開発グループに所属するKaggle Masterである阿田木さんです。(AITCコラムには、阿田木さんによるKaggleの記事も こちら にあるので、興味がある方はぜひ読んでみてください!) isid-ai.jp

ワークの形式はこんな感じです。

事前に阿田木さんが選定してくれた需要予測コンペティションから、2人1組で有用な需要予測の知見を調査し、スライドに整理しました。

実際に今回のワークで使ったコンペティションはこちらになります。

M5 Forecasting - Accuracy

M5 Forecasting - Uncertainty

ASHRAE - Great Energy Predictor III

Recruit Restaurant Visitor Forecasting

Rossmann Store Sales

また、各コンペティションは整理する際の観点は以下の通りです。

  • 概要:どんなコンペティションか
  • データ理解:どんな傾向が見られるデータか
  • ソリューション:どんな解法で精度を向上したのか
  • 前処理、特徴量エンジニアリング
  • モデル、バリデーション
  • 後処理

また、コンペティションの上位ソリューションについても事前にピックアップされていたので、基本的にそちらを参考に調査を進めつつ、物足りなければ別のソリューションを探す形式で進めていました。

(Kaggleでは『Discussion』タブから上位ソリューションを探すことができます)

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私自身コンペティションは未経験だったので、Kaggleから分析方法を学ぶというワーク自体が新鮮で楽しかったです。 また、事前にコンペティションに加えソリューションがピックアップされていたのが非常に良かったです。このおかげでワーク中に迷子になることもありませんでした。

ただ、短い時間の中でコンペティションの概要からソリューションの要点を理解するのは結構大変でした。こちらは、初めてでまだ慣れてないことが原因だと思うので、今後継続を続けることで要領が掴めてくると思います。

感想

製品開発グループの合宿についてお伝えしてきましたが、いかがだったでしょうか。

個人的には、1つのテーマに対してまとまった時間をとって議論を交わせたことが非常に良かったです。NLP、需要予測においても知識量が格段にアップできたと思います。

合宿後のアンケートでは、「1日で一気に詰め込んで議論ができて良かった」や「グループの団結力が高まった感じがする」などといった回答があり、今回の合宿で有意義な時間を過ごせた方が多かったと思います。

対して、「もう少し休憩時間が欲しかった」や「頭の切り替えが大変だったので、内容を一つに絞ってもいいかも」などの声もあり、次回開催に向けた課題も見つかりました。 次回は、今回の反省も踏まえつつ、より良い合宿を実施したいと思います。

以上、最後まで読んでいただきありがとうございました。

最後に

今回は、AITCの取り組みの一つである、合宿について紹介いたしました。 この記事で、AITCに少しでも興味を持っていただければ幸いです。 現在、AITCでは意欲あるメンバーを募集しています。下記URLから応募できますので、興味のある方はこちらからお願いします。

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執筆
AITC AI製品開発グループ
矢作 銀平