2021.11.1

AIのビジネス活用を進めて行くために、あるべき仕組みとは?

AI等の先進テクノロジーを活用するために"企業が持つべき仕組み"について、"DataOps"や"MLOps"といったキーワードと共にご紹介!

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AI等の先進テクノロジーを活用するための仕組み作り

COVID-19の影響などで、今まで以上にビジネスや市場環境が大きく変化し、将来の予測が困難になっているVUCA(ブーカ※)の時代と言われています。

※ VUCA :「Volatility:変動性」「Uncertainty:不確実性」「Complexity:複雑性」「Ambiguity:曖昧性」

DX戦略の中、データ活用をビジネス戦略の中心において、先進テクノロジーであるAIを活用し、如何にデータから素早くビジネス価値を生み出していくかということを重要視されている企業が増えてきました。

このような企業が"もつべき仕組み"とは、どのような仕組みでしょうか?

まずはデータと組織/人

「分析力を駆使する企業 発展の五段階」という本があります。膨大なデータの分析に基づいて意思決定することが、あらゆる業界で進行していて、今まさに分析に取り組み始めたばかりの企業が、どのようにして分析力を高めていくのが賢いアプローチなのかを論じています。

この本の中で、企業がどのような段階を踏めば、「分析力を駆使する企業」になれるのかをDELTAというキーワードで説明しています。

分析に必要な要素(「分析力を駆使する企業」より)

「成功している企業は、良質のデータ(Data)を持ち、データを活かす体制(Enterprise)が整備され、経営陣(Leadership)がデータ活用を重要視し、データ活用の目的(Target)が明確で、それらを活かすデータサイエンティスト(Analyst)が活躍しているという特徴がある」と記載されています。

この本の発行年は2011年ですが、10年経った今でも内容が古いと言うことは全くなく、むしろ時代が追い付いてきたという内容です。AI活用時代でも同様で、DELTAをより端的に表現すると、データと、組織/人が重要だと言っています。

目的に合致し、さらに品質も担保された「必要なデータ」はすぐに集められますか?

AI活用には、勿論その目的に合わせたデータが必要です。そのデータはすぐに集められますでしょうか?すぐに、AIの学習に利用することができますでしょうか?

多くの企業では、社内外でデータが分断されているという課題があります。各Webシステムのデータ、ERPなどの業務データ、IoTから取得されるデータ、現場でファイル管理されている情報、ファイルサーバ等、AIの目的を実現するために必要な情報を、目的に合わせた単位に結合して、分析して初めてデータから価値を生み出すことが可能となります。

しかし、多くの企業では、以下の左図のように、様々なデータが分断、サイロ化されています。それを、矢印の右のようにすることが求められます。

データの分断/サイロ化からデータ統合へ

過去、あるお客様とのプロジェクトで、「今後は自社のデータをもっと活用して行こうという話になっていて、AI を使っていきたいんです」というお話をきっかけに、目的とデータの整理を実施していました。どの目的を実現するためのデータセットも、データオーナーがバラバラで、データを集めるのが大変で始められない、集めるコストが合わない。まずはやってみないとわからないAIだけど、データ集めに1ヶ月以上かかる。そのような状況から、「やりたいことが出来たら1日で品質の良いデータを集められる、1日でAIモデルを構築出来る世界を目指す。そのためには、まずはデータマネジメントから考えていかないと」という議論を実施し、プロジェクトの方向性を変更しながら進めることになったこともあります。

AIモデルは一度作って終わりではない。
自分たちで再学習して、AIを賢くし続ける仕組みが必要

“AIシステムと従来システムとの違い“という話は世の中で様々語られています。我々のコラム:“日本におけるAI活用と注目トピック”の中でも語っています。

世の中が変われば、データが変わってきます。その変わってきたデータに対して、予測や判定を行うAI、データからロジックが導出されるAIが、新しい状況に最適化していくためには、新たなデータで再学習をし続けることが重要です。

ルールベース(例:もしこの値が100以上だったら異常と判定するような、if条件判定)の仕組みは、ロジックを変更するために、プログラムを変更してテストする必要があります。AIはルールベースと違い、新しい状況に対して、“再学習”させるだけで、その判定ロジックを変更することができることが大きなメリットでもあります。

AI等の先進テクノロジーを活用するために必要な仕組みはこれだ

AI等の先進テクノロジーを活用するために、最初に実施すべきは、別途本コラム(データドリブンにビジネスを推進!AIを用いたデータ利活用はどう進めて行けばいいのか?)”で記載した目的/データ定義です。目的/データが定義できて、「このテーマで行こう」という内容が決まれば、以下がビジネス適用への流れです。

  1. データ収集・可視化
  2. データ蓄積・マネジメント
  3. AIモデル構築・データ分析/洞察
  4. AI運用・ビジネス適用

この流れを進めるために必要な仕組みを可視化すると、以下の要素になります。

データ収集からビジネス適用までの流れ

組織・人材という部分は、“分析力を駆使する企業 発展の五段階”で述べられている、組織/人の話です。

IT基盤上の2つの要素が、まさにAI等の先進テクノロジーを活用するために必要な仕組みとなります。
1つ目は、①DataOps(Data×Operations:データ運用)です。データの品質と管理性を保ちながら、データの提供者と利用者が効率よく目的に向けて作業できる環境です。
2つ目は、②MLOps(Machine Learning/AI×Operations:AI運用)です。機械学習/AIモデルの開発、実行、再学習という一連の運用を実現、自動化できる環境です。

弊社ISIDでは、多くの実プロジェクト経験から得た知見や学びを一般化(抽象化)し、弊社独自のノウハウとしてアーキテクチャを標準化/仕組み化したデータマネジメントソリューションである ARAiS を、推奨する①DataOpsソリューションとして提案してます。

また、②MLOps(Machine Learning/AI×Operations:AI運用)に関して、最も推奨するソリューションとして、ユーザー主導型AIモデル構築と運用自動化ソリューション OpTApf を提案しています。

どちらのソリューションもMicrosoftのクラウドであるAzureの機能を利用し、ISIDが自社開発しているソリューションです。我々が中身を一番良くわかっています。そのまま導入頂ければ、短期間で活用いただくことも可能ですし、お客様の状況/環境に合わせたカスタマイズも可能です。クラウドベースのソリューションですので、小さくいれて、大きく育てていくことも容易です。

本コラムの最後に

本コラムでは、“AIのビジネス活用を進めて行くために、どういう仕組みが必要か?”という問いに対するお話しをしました。

DataOpsとMLOps、なんか難しそうだなという印象があったかもしれませんが、簡単にいうと、「ちゃんとしたデータをすぐに扱えるように保存して取り出せる所と、すぐにAIモデルが構築出来て、運用していける所の2つが必要です」という内容でした。本コラムが、「それって、自社では現状どのような仕組みか?今後如何していくと良いか?」という部分を、改めて考えてみるきっかけになれば嬉しいです。

AITCはお客様のAI/データ活用を実運用するご支援を行っていますので、いつでもご相談ください。

執筆
AITC AIコンサルティンググループ
深谷 勇次