2021.10.18

データドリブンにビジネスを推進!
AIを用いたデータ利活用はどう進めて行けばいいのか? (続)

ビジネスへのAI/データ活用を推進するための、AI戦略策定メソドロジ:AusIcal/オーシカルを紹介します

AIを用いたデータ利活用はどう進めて行けばいいのか?

AI/データ活用推進のためのメソトロジ、Ausical/オーシカルとは?

前回コラム:AIも含めて、データを分析/活用し、データドリブンにビジネスを推進していきたいけど、どう進めて行ったら良いか?では、AI/データ活用の進め方のポイントを説明いたしました。

そちらを読んでいない方は、ぜひそちらを先にお読みいただければ幸いです。本コラムは、上記コラムを踏まえた内容となります。

弊社では、ISIDメソドロジであるAusical/オーシカルというメソドロジ(方法論)をベースに、お客様のAI/データ活用推進を支援しています。例えば、以下のような結果(AsIs→ToBe)を生む活動です。

AITC(ISID)のDX戦略におけるAsIstとToBe

このような結果を生むためのポイントが、前コラムで言及しました以下2つのポイント

ポイント1.データサイエンスそのものの考え方を相互理解し、お客様のビジネス状況を踏まえて、データサイエンスの知見が豊富なメンバーが、お客様とOneチーム(データサイエンス:DSチーム)を作ること

ポイント2.DSチームはビジネスを踏まえて、まずは実データを元にやってみること。やった結果を踏まえて、次に進むべき道を考え、提言することを繰り返し、前進していく

になります。

Ausical/オーシカルでは、このポイントを踏まえて、具体的にどういうプロセスで進めるべきか、また各プロセスを、どのようなドキュメント(テンプレートあり)でまとめていくと良いかを定義したメソドロジです。そこで、このメソドロジの背景を説明した上で、具体的な中身の説明をします。

AIモデルの業務活用に必要なAIモデルの運用基盤

前コラムでは、①目的や課題設定の明確化と、対応するデータ準備を並行して検討することの重要性を説明しました。

また、②経済産業省の資料でも述べられているような「まずはやってみて。やった結果を踏まえて、次に進むべき道を考える、を繰り返しながら前進」することが重要だとお話しをしました。少し補足しますと、“まずはやってみて。やった結果を踏まえて”というのは、AI/データ分析が不確実性の高い活動だからです。不確実性の高いというのは以下4つの特性があるためです。

表1. AIの不確実性

データサイエンスそのものの考え方を相互理解したOneチーム

このように、不確実性の高いAIを利用するプロジェクトには、不確実性を1つ1つクリアにしていくような、AIの特性を踏まえた探索的段階型のプロジェクト推進が重要です。

3つ目としては、③AIをビジネスで活用する際、AIモデルはシステム全体の一部でしかないので、最初から実際の運用まで考慮して進めましょう、ということです。以下の図は、AI/機械学習を使ってビジネスを行っている多くの技術者に読まれている論文から引用したものです。

Hidden Technical Debt in Machine Learning Systems:機械学習システムの隠れた技術的負債

[引用]Hidden Technical Debt in Machine Learning Systems:機械学習システムの隠れた技術的負債の挿絵に対して、日本語訳を追記

AIモデルはAIシステム全体の一部でしかなく、AIモデル以外のITの仕組みができて初めてAIを業務活用できる、ということです。

PyTorchやScikit-learn等、有名なAIのライブラリを利用することで、AIのモデル自体は簡単にできるようになってきました。

しかし、その簡単に作ったモデルを、なんの考慮無く運用しようとすると、継続的な莫大なメンテナンスコストが発生するとその論文の中で書かれていますし、事実そうです。

AIのモデルは社内で構築し、現行の予測システムよりも良い精度が出たが、実際の運用はどうしたら良いか?という相談もいただいたりします。

MLOps(Machine Learning Operationsの略でエムエルオプツと呼ぶ)という言葉があります。MLOpsとは、“AIモデルを活用したモデルの開発から運用まで一連のMLライフサイクルを管理する基盤・体制“のことで、AIの実運用を目指すには、MLOpsを最初から考えておきましょうということが言えます。

AusIcal/オーシカルによるAI戦略策定プロセス

これまで説明してきた3つの背景を踏まえて、AI戦略策定メソドロジ:AusIcal/オーシカルの全体像を以下のように説明することができます。

データ利活用におけるAIプロジェクトの進め方

前コラムで説明しましたが、目的と、データがセットになり、初めて議論が進みます。それらを前提として、“AI戦略検討“というステータスとなります。

不確実性の高いAIは、「やってみないとわからない」部分があり、かつ実際の運用システムを考慮せずに進むと、結局はコスト的に実運用できないという判断に至る可能性があります。

そのため、システム検討と、PoCを並行で実施し、その結果を踏まえて分析することで、AI戦略を策定しようというメソドロジです。

少し話がそれますが、毎年1兆個を超えるベースで増えていくIoT(Internet of Things)の世界が来ると2010年前後に叫ばれましたが、日本ではIoTの世界が来たとは言えない状況です。

普及していない理由は、1.目的が不明確で開始した、もしくは後回しにした、2.IoTで取得したデータをビジネス価値に繋がるアクションを考えていなかったから、のどちらにあると思っています。

AIはこの現状のIoTのようにならないようにしなければいけないと考えています。(IoTのアクションに繋がる技術要素がAIであるとは思っています)

AI戦略策定メソドロジ:AusIcal/オーシカルの具体的なプロセスは以下の通りです。

AI戦略策定メソドロジ:AusIcal/オーシカルの具体的なプロセス

プロセスだけが決まっていても、実際に進めようとしたときにどのように情報整理をしていければ良いか?で悩む部分が出てきます。AusIcal/オーシカルでは、実績のあるテンプレートを用意しています。それらテンプレートを、上記プロセスのどこで使っていくかを定義しています。以下、プロセスとドキュメントの関係です。

テーラリング

実際のプロジェクトで弊社コンサルタントが推進する場合は、テーラリング(対象に応じて具体化したり、詳細を定めたり、一部を改変したりする作業)することで、お客様に最適なAI戦略策定をご支援しています。

AITCは、お客様のAI/データ活用を実運用する集団です。データは、分析結果が実際に活用されて初めてビジネスの価値に繋がります。実運用を目指している方は、いつでもご相談ください。

執筆
AITC AIコンサルティンググループ
深谷 勇次