就活生の方からご質問にAITCデータサイエンティストがお答えします!

こんにちは。ISIDのAIトランスフォーメーションセンターでデータサイエンティストをしています、3年目社員の徳原光です。

現在ISID・AITCで実施しております、24卒向けデータサイエンティスト職選考では続々と就活生の方からのエントリーをいただいています。ありがとうございます。

データサイエンティスト職を志望されていて、まだAITCのDS職に応募していない方はぜひ、こちらからエントリーを検討いただければと思います(マイページ開設後にDS職採用のご案内をさせていただきます。DS職募集には期限がございますのでお早めに!)。

www.isid.co.jp

昨年、AITCでは新卒・中途問わず求職者の方とのカジュアル面談の実施に力を入れていました。

学会やイベント、リファラル、webサイト経由でたくさんの方からカジュアル面談のご応募をいただき、おそらく去年だけで30名以上の方とお話させていただいたと思います。自分も就活生の方を中心に10名以上の方とオンライン上ですがお会いすることができました。

この記事では、カジュアル面談を実施した際にいただいた質問に対して、私の回答をまとめさせていただこうと思います。あくまで、一個人の見解ですのでAITCの他のメンバーが答えれば違う回答になると思いますが、もし参考にできる部分があれば幸いです。

Q. データサイエンスに関連する案件と言っても様々だと思いますが、どういった案件が多いですか?

A.

AITCではISID全社から集められた様々なプロジェクトを推進しているので、特定の分野のプロジェクトが特別多いということはないです。 強いていうとすると、画像検査AIに関しては自分も2つのプロジェクトに参画していますし、需要予測に関しても様々な企業から依頼を受けています。 さらに、AI人材教育もAITC結成当初から実施しており、ダイキン工業様の情報大学に関してはプレスリリースも出ています。 最近はOCRの導入案件も多いです。

また、顧客企業のデータとドメイン知識を整理しつつ、データ活用戦略をまとめていくという、AI・データ活用の上流部分を実施するプロジェクトも多いです。

これに加えて、新技術の研究開発やAI製品の開発・導入プロジェクトも製品開発グループを中心に実施しております。

Q. データサイエンティストに必要、あるいは求められる能力とはなんですか?データマネジメントを自動化するライブラリやGUIで操作できるBIツールが普及した今、基本的な分析スキルに価値はありますか?

A.

分析作業の敷居は下がっていますが、分析スキルの重要性はむしろ上がっていると感じています。データを直接加工、編集してそこから知見を得る作業には、データの抽出や結合、クレンジングといった前処理、データに関係するドメイン知識の整理、統計処理、可視化、分析結果の資料化、説明などデータサイエンティストが分析業務で実施することは様々です。また、AIモデルにデータを入力する際には必ず人が分析作業によりデータの実態を明らかにする必要があります。

技術の進歩によってできることが増える分、顧客に提供できる価値、提供しないといけない価値が増えていくので、データを直接触りビジネス価値を創出できる能力は更に重要度を増すと考えています。そのため、最近はAIが普及する前のデータサイエンスに関する書籍や記事に関しても積極的に読むようにしています。

個人的には、データサイエンティストに最も必要なスキルは、新しく世にでたり、自分がこれまで全く知らなかった知識を効率的かつ正確にキャッチアップする能力だと考えています。

Q. データサイエンスやAI導入の課題、特に導入先の顧客が抱えている課題はなんですか?

A.

みなさんがご想像されている通り、AI導入の壁は様々なところに存在します。

顧客側のAIの過大な期待に関しては、一般の方も公私ともに日頃AIを活用する機会が増えたことで、解消されつつあると感じています。ただ、AIができることが分かることと実際に使うことができるというのでは、要求される知識レベルが違うので、私達が構築したAIモデルやAI製品を顧客企業の現場社員の方が使いこなしてビジネス価値を創出するのにはまだ時間が必要だと感じています。ですので、現在AITCはDX戦略に関わるAIコンサルティングやAI人材育成に力を入れています。

データの量に関してはAITCの顧客は非常に歴史がある大企業が多いので、かなり膨大なデータを保有している企業が多いです。しかしその質に関しては、データ活用という考え方が普及していなかった時代から蓄積されたデータなので、統計的な分析やモデルの学習に使用するには入念な前処理が必要なケースがほとんどです。こちらの解決策として、ISIDの他事業部のチームと連携してデータ活用を実施しながらデータ基盤の整備も進めています。

AIの精度は良くても、解釈性が低いと運用できないということももちろんあります。現場の方は、AIの学習結果から自分たちの業務に役立つ知見を得ようという意識が強いですし、たまたま今のデータではうまくいったが例外が存在するのではないかということに不安を感じられることも良くあります(ここの部分は私達も同じです)。そのためには、初めからブラックボックス化しやすい深層学習モデルを用いるのではなく、統計的なモデルを試したり、モデルのテストや結果の解析したりするようなアプローチを行うこともあります。

Q. ISIDの新人研修ではどのような研修が行われているのでしょうか?全体研修とは別にデータサイエンティストだけの研修はあるでしょうか?

A.

AITCに配属前に4月から9月まで半年間の新人研修があります。内容は毎年変更になる可能性がありますが、例年は資料作成スキルやプレゼンスキル、ヒアリングスキルといったビジネス全般の研修とJava、JavaScript、Git、ネットワーク、アプリケーション設計といたIT研修を3ヶ月実施した後、3ヶ月間5~6人の開発チームに別れて3ヶ月で中規模なシステムをJavaとJavaScriptを用いてAWS上に開発する研修を行います。

配属後の研修に関しては、データサイエンティストに関係する知識は膨大なので、直近に参加しそうなプロジェクトに合わせて優先順位をつけて学習することになると思います。Pandasやscikit-learn、PyTorchといったライブラリの操作や、クラウド環境上での機械学習システムの構築、アジャイル開発、バージョン管理、統計数学、データマネジメント、AIプロジェクトマネジメントなど、まずは一通り学習した上で、プロジェクトを通して知識を深めていくことになると思います。

Q. 技術や知識のキャッチアップはどのように行っているのか

A.

AITCには自分よりも最新の情報に敏感な方がたくさんいらっしゃるので、部内の方が言及した技術や知識には必ず注目するようにしています。TechTalkと呼ばれる週一回のAITCメンバーの技術発表や、勉強会、朝会での雑談に積極的に参加することが最も効率的な情報収集方法だと思っています。また、社内SNS上に最新のライブラリやモデルを利用した感想がリアルタイムに投稿されるので、評判の良かった技術は自分も試してみるというのも一つの手だと思います。

また、AITCメンバーはAITC webサイトや他サイト、Webinarで定期的に社外発信しているので、メンバーが発信した内容は必ずチェックするようにしています。

ただ、正直なところ最新技術を使ったプロジェクトが多いため、どうしても必要になった技術を急いで習得することのほうが多いのが現状です。効率的にスキルを習得する能力が大事だと感じています。

Q 尊敬している人や活躍されている人の特徴はなんですか?

A.

個人的に思っていることとしては、古臭い考え方ですがAIを含む新規技術のプロジェクトの推進には技術力だけではなく人間性も大事だと考えています。

他のITブロジェクトと異なり、AITCで扱っているAIプロジェクトは難易度が高く、不確実性が高いです。 想定外のことや、前例のないことが多発するので、そもそも技術的に不可能なのではないかや、やっても無駄なのではないかと思うことがプロジェクトの中で発生することがあります。これはお客様も同じで、最初は希望を語っていたお客様も途中で諦めたほうがいいと感じるようになることもあります。そうなったときデータ活用のプロフェッショナルとして関係者と協力して粘り強く冷静に解決策を模索する必要があります。プロジェクトが順調に進んでいるときよりもうまくいってない時のほうが、データサイエンティストとして、エンジニアとして、一社会人として自分は未熟だと痛感することが多いです。

また、継続しないプロジェクトもあるにはありますが、失敗を糧に次のプロジェクトに繋げるための努力を続けられる人がこの業界で活躍していると考えています。

Q. 採用面接で意識されていたことはありますか?

A.

就活時は自分自身が今感じていることを率直に伝えることが重要だと考えていましたし、入社後の今もそう思っています。

現在、学生生活を送っている就活生の方が、入社後のことをイメージするのは難しいと思います。さらに、入社後に新しい知識やスキルを得て考えが変わる可能性もあります。

ISIDでは自身の希望や考え方を発言する機会が若手のうちからたくさんあり、そこで自信を持って発言できることが重要とされているという社風があります。ISIDの面接では他社では質問されないような風変な質問をされることがありますが、その社風にあった人材か入社前に確認したいという狙いがあると思います(あくまで徳原個人の見解です)。ですので、今後もし考えが変わる可能性があったとしても、これまでの経験や知識によって得られた現時点の答えをはっきり伝えることが重要だと思います。

以上になります。

こちらのページではAITCでの働き方や募集職種、組織などの採用に関わる情報をまとめています。また、カジュアル面談の応募フォームもこちらのページにリンクがありますので御覧ください。

isid-ai.jp

執筆
AIコンサルティンググループ
徳原 光