2020.07.01

AIを用いたデザイナー支援はできるのか

画像生成アルゴリズム研究開発事例

事業紹介2

敵対的生成ネットワーク(GAN)のビジネス活用検証

背景

AI、機械学習に関する研究は日々進歩しています。その中でも、最近注目を集めているのが敵対的生成ネットワーク(GAN:Generative Adversarial Network)です。
GANは2014年に新しく提案された機械学習手法の1つです。GANが注目を集めた理由は、GANを使って生成されたデータがコンピュータが生成したとは思えないほど質の高い仕上がりだったからです。
GANが初めて提案された2014年以降、GANに関して様々な研究が行われ、現在は本物の画像とGANが作り出した画像を人間が見分けるのが困難なレベルで生成を行うことが可能となっています。

昨年度ISIDイノラボでは、この最新技術であるGANをどのように実社会のビジネスに活かすことができるかの検証を行いました。以降では、その内容について簡単にご紹介いたします。

GANを使ってデザイナー支援はできるのか

GANでは訓練データを学習することで、訓練データの特徴を学習し新しいデータを生成することが可能になります。例えば、人の顔画像を訓練データとして用いた場合は、GANは新しい人の顔画像を大量に生成できます。

このGANの画像大量生成の特性を活かし、新しいデザインを生み出せないかと考えたのがプロジェクトのスタートでした。しかし、GANは真にクリエイティブなものは生成できません。あくまで与えた訓練データに似たデータ生成しか行えません

デザイナーのようなクリエイティブな仕事に求められるのは、既存のデータにはない新しい発想です。すでに存在するデータと似たような生成データでは、そのまま使うことは難しいです。

そこで、クリエイティブな発想は人間に任せ、その発想を支援するツールをGANで実現できないかと考え今回の研究開発を行いました。

検証内容

新しいデザインを発想する過程では、いくつかのパターンとその組み合わせを考えてアイディアの試行錯誤を行います。この試行錯誤を支援するためにGANで画像を大量に生成し、デザイナーが選んだ画像に対して、望む特徴に操作が出来るツールを目指しました。

利用想定シーン

今回はインターネット上から収集した自動車の画像を用いてGANの学習を行いました。以下が生成された画像です。

生成画像

次にGANによって生成された画像をコントロールするために、別の教師あり機械学習モデルを訓練し、その2つを組み合わせることで意図した変化を行うモデルを作成しました。

こちらが作成したツールのデモ映像になります。最初に表示された画像を車両のボディタイプと車両の生産年代の特徴に変化させることができています。

今後の取り組み

今回の取り組みでは、簡単なプロトタイプでGANの実社会への応用可能性を検証することができました。今後は本物のデザイナーの方に使っていただき、より価値の高いツールにするためさらなる改善を重ねていくつもりです。

参考事例

本取り組みについて、更に詳しく知りたい方はISIDイノラボ ホームページをご覧ください。

「GANを用いたデザイナー支援はできるのか」 (INNOLAB)リンク